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彼岸のお墓参りが行楽行事?

彼岸の時期、
何故、お墓参りをするのでしょう?

彼岸は、春分の日とその前後の3日間、
計7日間を「彼岸(ひがん)」と言い、
春分の日はその「彼岸の中日(ちゅうにち)」と呼ばれています。
秋にも秋分の日前後に同じく秋の彼岸があります。

彼岸という行事は他の仏教諸国にはありません。
日本独自のものです。
なぜ日本だけなのか? 不思議ですね。

彼岸(ひがん)と日願(ひがん)

彼岸(ひがん)は、古くは日願(ひがん)と書きました。
日(太陽)に願うという意味です。
古代の日本人は、亡くなった人は神になると信じていました。
神様の中心的な存在は太陽神(天照大御神アマテラスオオミカミ)です。

ですから太陽に関係に深い春夏秋冬に故人や先祖を崇拝するのです。
※正月に墓参をする地域も各地に多く残っています。

◆春=太陽が真東から昇る=彼岸。
◆夏=太陽が最も強い=お盆。
◆秋=太陽が真西に沈む=彼岸。
◆冬=太陽が最も弱い=正月。

やがて仏教が日本に伝来し、これらの太陽祖先信仰と融合していきます。
ですから海外の仏教国に彼岸もお盆も存在しないのです。

僧の説法が楽しみで集まる

現在は「彼岸の中日」と言うより「春分の日」と言う方がわかりやすいですよね。

彼岸が暦の中に取り入れられるようになったのは、
比叡山の坂本で能弁な僧を選んで彼岸会の説法を行うようになり、
これが評判となって人々が集まります。

しかし、彼岸の時期は当時の太陰太陽暦では
毎年日付が移動してしまって不便であるということから、
比叡山の要請を受けて
近隣の暦家がこれを暦に書き入れたことに始まったと言われています。

現代の私たちからすれば、
僧の説法を楽しみにするというのは少しわかりにくいかもしれませんが、
楽しみの少ない当時としては、立派な娯楽の一つとも考えられます。

徒歩以外旅行の手段が無かった当時としては、
彼岸会の説法を聞くためという理由での比叡山への旅は、
気候の良い春(秋)の物見遊山の旅にもなりました。

15.2.2彼岸のお墓参りが行楽行事?

江戸の六阿弥陀参り

この伝統をひいたのか、
江戸時代もまた彼岸はお参りを理由とした行楽行事の一つでした。

江戸では阿弥陀如来を安置した六つの寺を巡る「六阿弥陀参り」が流行します。
春秋の彼岸の六阿弥陀詣は、江戸近郊を丸一日かけて廻る手軽な巡礼でした。
老若男女が引きも切らずに巡る盛況ぶりで、これにかこつけて
途中にある岡場所や遊郭に遊びに行くという輩も大分混じっていたようで、

五番目の阿弥陀は二百の中にいる

なんて言う川柳も詠まれたとか(五番目の常楽院が特に遊郭に近かった)。
もちろん「二百」とは遊郭の女性の数のことなのでしょうね。

まあ、六阿弥陀参りが目的か、単なる言い訳にすぎないのかわかりませんが、
沢山の人たちが巡り歩いたことは確か。

徒歩で、かなりの距離を移動するため、
効率よく巡るための案内書まで出版されていたそうです。

お墓参りを彼岸に行なう

彼岸の世界はまた、亡くなった人々が去っていった世界だとも考えられるので、
ここから彼岸には亡き祖先を敬って、墓参りを行うなどの習俗も生まれました。

人間は普段自分中心の欲得の世界(此岸)で生きています。
ですから、せめて春と秋のお彼岸の間ぐらいは、
彼岸(彼の岸・悟りの世界)の世界の暮らし方をするために
六度行(ろくどぎょう)を行い、同時に
自分の生き方を御先祖に「私は正しい生き方をしているでしょうか」と
問いかけ反省するために御墓にお参りします。

六度行とは

①布施行‥困っている人を見れば、自分にできることをさせてもらうこと。
②持戒行‥じかいぎょう。法律だけでなく、人間としてのマナーを守ること。
③忍辱行‥いろんなはずかしめを受けてもそれに耐えしのぶ行のこと。
④精進行‥正しい目的に向かっていろんな苦労を乗り越え努力すること。
⑤禅定行‥ぜんじょうぎょう。あっちの意見にフラフラ、こっちの意見にフラフラせず
心を落ち着けて、物事に動じない心を養うこと。
⑥知恵行‥人間の知恵など、大学者でも知れたものです。
ですから、信仰を通じて仏様の知恵を御借りすることが大事です。

せめて、この六種類のことをお彼岸の間ぐらいは心がけましょうというのが、
お彼岸の本来の意味となります。

彼岸の時期(春分、秋分の時期)は、太陽は真東から昇り、真西に沈みます。
この時期に真西に沈む太陽は、その西方浄土の道を示すものと捉えられていました。

古代の日本人は、亡くなった人は神になると信じていました。

神様の中心的な存在は太陽神(天照大御神アマテラスオオミカミ)です。

やがて仏教が日本に伝来し、これらの太陽祖先信仰と融合していきます。
ですから太陽に関係に深い春夏秋冬に故人や先祖を崇拝するのです。

時代は変わりましたが、彼岸は暑くもなく寒くもなく、また緑も花も美しい季節。
あなたも行楽を兼ねて(?)、彼岸のお墓参りはいかが?
きっと心が落ち着くことでしょう。

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